「兄さん、最近時間ある?ちょっとイベントの手伝いに来てくれない?」と中村景吾は電話で言った。「高級食材とかじゃなくていいから、見た目が綺麗で洗練されたものが欲しいんだ。今、外部のケータリングを頼むと高すぎるんだよ。」
中村海斗は不機嫌そうに答えた。「俺がお前の専属シェフか何かだと思ってるの?開店の時も俺、イベントの時も俺。俺だって普段忙しいんだよ。」
「兄貴だろ?それに、お金払うよ。今このケータリングサービスがどれだけ引っ張りだかわかってる?金は多いし仕事は少ないし、仕事が終わったらさっさと帰れるし、片付けすらしなくていい。みんな争って仕事を取りたがってるんだ。俺は何とか頑張ってこのチャンスを兄さんのために確保したんだよ」と景吾は言った。「それに、うちのイベントは夜だから、仕事終わってから来れば間に合うよ。アシスタントに先に食材を準備させておいて、兄さんは来て調理するだけ。何も邪魔にならないよ。」