「林田社長、入金が確認できました。これで以前の数社に対して残金を支払うことができます。」
林田希凛は部下から送られてきた資料を見ていた。羽柴明彦は確かに自分の約束通り、林田グループに投資協力という名目でお金を振り込んでいた。
「足りる?」
「足りはしますが、現在販路が滞っていて、この荷物が全部予定通りに納品されても、一度滞留したり顧客が契約違反を起こしたりすれば、最終的に大量の滞留費用が発生し、不良債権となって、その後の資金繰りに影響します。」
林田希凛はため息をついた。今年に入ってから、経済情勢はずっと芳しくなく、さらに林田植木が亡くなった後、林田グループは多くの古い顧客を失った。今や業界の競争は激しく、林田グループは規模が大きいため販路への依存度が非常に高く、嗅覚鋭く事前に転換することもできず、今にも後発の波に打ち上げられそうだった。