第414章 彼女は何をしに来たのか

金田直樹の家を出て、羽柴明彦はようやく自分が一晩中携帯を見ていなかったことに気づいた。そして今はもう正午で、充電器も持っていなかったので、とりあえず会社に行くしかなかった。

「羽柴社長、やっと来ましたね。こんなに長い間どこに行っていたんですか、探すのに苦労しました」羽柴明彦が無事に目の前に現れるのを見て、木村城太はほっと息をついた。

「リトウ片桐社長がここであなたをずっと待っていましたよ。何度電話しても電源が切れていました」と彼は不満そうに言った。「羽柴社長、一体何があったんですか?」

羽柴明彦はポケットから携帯を取り出し、「電池が切れた」と言った。

「ああ...」木村城太は黙って口を閉じた。「片桐社長は工事の件で来たようです」

「工事の何の件だ?」羽柴明彦は彼を見て言った。「彼らの新しい見積もりはすでに承認されたはずだ。他に何の用があるんだ」