第463章 私は言った、行かせない

夏目芽依はこの時、鈴木ママの言葉を信じてしまったことを非常に後悔していた。夜遅くに家でちゃんと寝ずに、ここに来て何を騒ぎに加わっているのだろう。

向かいに座っている羽柴明彦を見ながら、彼が何を考えているのか分からないが、このように黙ったままでいると人を不安にさせる。

「特に用事がないなら、先に帰るね〜」しばらくして、彼女はずっとこのままでいても仕方ないと思い、言い訳をして立ち去ろうとした。

ずっと黙っていた羽柴明彦が突然顔を上げた。「帰るな。」

「はい…」夏目芽依はすぐに座り直した。今彼を怒らせるのは明らかに賢明ではない。

「あの…水でも飲む?」

羽柴明彦は彼女を見つめ、その目つきは恐ろしかった。夏目芽依はすぐに口を閉じた。今、自分を殴りたい気分だった。夜中にどうしてここに来て彼と静かに座っているのか。物を投げるなら投げればいい、どうせ自分のものではないのだから、そんなに気にする必要はなかった。