第448章 お前が死にたいのか

羽柴明彦の表情が良くないのを見て、木村城太はそれ以上追及せず、すぐに車を発進させた。

「羽柴社長、こんな高価なものですが、先に家に送りましょうか?」しばらくして、彼はまた口を開いた。風光グループと西郊外ヴィラは反対方向にあり、高架に乗ってから戻るとなると大回りになる。今は話したくなくても聞かざるを得なかった。

「必要ない」羽柴明彦は重々しく言った。

彼は振り返り、脇に置かれた箱を一瞥した。この中のものに、約8000万円もかかったのだ。8000万円だぞ!羽柴明彦にとってさえ、これは決して小さな金額ではない。最近は建築資材の価格上昇により、風光グループの資金繰りは常に危機的状況にあった。社長として、このような時に会社の業務に全力を注がず、代わりにこれほどの大金をこんなものに使うなんて、と思うと突然怒りが込み上げてきた。