第499章 夏目社長は外出中

片桐恭平は生地がしっかりとしたベージュ色の七分袖ストレートワンピースを手に取った。

「このワンピースは、カジュアルすぎず、堅苦しくもなく、ちょうどオフィスワーカーに適しているよ」

夏目芽依は彼を見て、「恭平兄さん、どうしてここにいるの？」

片桐恭平は手に持っていたワンピースを彼女に渡した。「君と同じさ。中に入って試着してみたら？」

鏡の前に立ち、夏目芽依は自分がほとんど完璧なキャリアウーマンに変身したように感じた。もちろん、ほとんど、という程度だが。言うまでもなく、片桐恭平の目は確かだった。このワンピースは体にフィットし、素材は快適で、色は優しく、あらゆる面で彼女の要求を満たしていた。

「これにします」彼女は店員に向かって言った。

レストランにて。

「チーズ焼きチキンライス、ボルシチスープ、クリームグラタン野菜、それとキャラメルラテをお願いします」夏目芽依はメニューを閉じ、たっぷり食べる準備をした。