「どうしてもこの件を調べたいというなら、私はあなたを止められないわ。でも前もって言っておくけど、何か私の助けが必要なことがあれば、必ず真っ先に言ってね、わかった?」羽柴おばあさんは説得が効かないと見るや、言い方を変えた。「結局のところ、私たちは家族なのよ。こういう時、家族が一番大切なの。明彦くん、それをいつも忘れないでね。」
羽柴明彦は頷いた。「わかりました。」
夕食の時間が近づくと、鈴木ママは申し訳なさそうな顔をして台所から出てきた。「申し訳ありません、旦那様、おばあさま。今日の夕食はもう少し準備に時間がかかりそうです。おばあさま、お急ぎですか?」
彼女は実は時間を稼ごうとしていた。羽柴おばあさんが帰れば、夏目芽依を呼んで食事をさせることができるからだ。しかし羽柴おばあさんは予想外の行動をとり、その言葉を聞いてもソファに座ったまま動かなかった。