夏目芽依はできるだけ頭をはっきりさせようとし、お酒を飲まなければならない場合でも、ほんの少しだけ口をつける程度にしていた。自分の酒量は自分がよく知っていて、万が一その場で酔いつぶれたら見苦しいからだ。
時計を見ると10時を過ぎており、明日の朝も全力で仕事に臨まなければならないことを考えると、彼女は立ち上がった。
「今日はもう遅いから、私たちは先に帰るわ」そう言って、金田凛香の腕をつかみ、彼女を引き上げようとした。「行きましょう、家まで送るわ」
金田凛香はちょうど酔いが回ってきたところだった。彼女は普段、平日にはほとんど遊びに出かける機会がなく、やっとこのような機会を得たところだった。それに、今日は朗星のデザイン部長と一緒だったので、こんな良い人間関係を築くチャンスを簡単に手放すわけにはいかなかった。