第548章 安心して、私が何とかするから

「でも、あなたが持っているそのものは自分で持っておいてください。必要ないし、それにこれからあなたは私と一緒に上がれないから」夏目芽依は彼の手の中のお酒の箱を指さした。「この件はあなたがいると逆にやりにくいの」

「なぜ?」中村景吾は非常に不思議そうだった。

「あなたは羽柴明彦という人を理解していないからよ」夏目芽依は言った。「安心して、ここでおとなしく私が出てくるのを待っていて。必ずあなたの問題を解決するから」そう言って、彼女は振り返って中に入った。

「おい、一人で本当に大丈夫なのか?」中村景吾は彼女の後ろから叫んだ。

夏目芽依は振り返らず、ただOKのジェスチャーをした。

「やあ、今日はまた来たの?前回まだ私と喧嘩し足りなかったってこと?」ちょうど60階に着くと、ランチを食べに降りようとしていた中條詩織に出くわした。彼女がまだ何も言わないうちに、中條詩織が先に口を開いた。「今は昼休みの時間だけど、私は自由に使える時間だから、誰とも話したくなければ話さなくていいのよ」