第556章 大口座が来た!

三人が席に着くと、羽柴明彦はメニューを手に取り、注意深く目を通した。

夏目芽依の携帯電話が突然鳴り、彼女は下を向いて画面を確認すると、夏目冬美からの着信だと分かり、すぐに立ち上がった。

「ちょっと外で電話に出てくるわ」

羽柴美波は彼女が離れていくのを見て、小声でつぶやいた。「なんの電話なの?そんなに神秘的に外で受けなきゃいけないなんて…」

そう言うと、両肘をテーブルについて、「いとこ、決まった?このお店の魚料理はすごく美味しいわよ。一品どう?」

「これ」彼女は手を伸ばしてメニューを指さした。「銀だらの塩焼き、とても新鮮よ。食べてみる?」

羽柴明彦は彼女をちらりと見て、「お前がおごるのに、この程度の誠意か?やっぱりお前をそのまま家に送り返すべきだな」と言って立ち上がろうとした。