車が故障した?
夜の7時か8時頃、彼女はどこでレッカー車を探せばいいの?
石塚千恵は開いたボンネットの周りを歩き回り、そこから漂う焦げた匂いを眉をひそめながら嗅いだ。
レッカー車の電話番号もなく、彼女は橋口俊樹に連絡するしかなかった。二人の関係は良くないが、とにかく夫婦だ。
電話をかけながら周りを見回し、電話がつながるのを待った!
電話は長く鳴り続け、3回目にようやく出た。
彼女が口を開く前に、電話の向こうから若い女性の声が聞こえた。「橋口兄さんは今お風呂に入ってるけど、電話に出てもらう?」
石塚千恵は瞬時に話す気が失せた。「じゃあ、邪魔しないでおくわ!」
「じゃあね!」相手はとても素早く電話を切った!
夜空の下に一人取り残された石塚千恵は自嘲気味に笑い、その後さらに落ち込んだ。