第278章 この世の情とは何物か5

「いいえ、本当に大丈夫です!」橋口俊樹はドアまで駆け寄り、彼女が入ってこないようにドアを押さえた!

石塚千恵は唇を尖らせ、不思議そうに言った。「今、私に見られるのが怖いの?」

「そういうわけじゃないよ!」橋口俊樹は照れくさそうに笑った。「ただ、今はまだ気分が乗ってなくて」

石塚千恵は彼に笑いそうになった。「そんなの気にすることない?」

橋口俊樹は真剣な表情で言った。「千恵、今は本当に会いたくないんだ。前に君に与えた印象が悪すぎたから、次に君の前に現れるときは、良い印象を残したいんだ!」

「……実は本当に必要ないのに!」石塚千恵はとても感動した、橋口俊樹がこんなに細かいところまで考えているとは思わなかった。

「千恵、今回は僕の言うことを聞いてくれる?」

「わかったわ!」