「ピンポーン……ピンポーン……」
石塚千恵はビデオ通話を開くと、意外にも橋口俊樹の姿が!
彼女は急いで装飾用のネックレスを首に掛け、ちょうどピンクのいちごマークを隠した!
問題ないことを確認してから、ようやくドアを開けた。「何か用事?」
明らかに痩せこけた頬の橋口俊樹は、ドア枠に寄りかかり、充血した目で彼女を見つめた。「自分の家に帰りたいだけだ。何か理由が必要なのか?」
彼の言い分にも一理あった。彼女は体を横に寄せ、彼を中に入れた。
橋口俊樹は結婚前に自分がデザインに参加したこの家を見て、目に涙が浮かんだ。彼は苦笑いした。「ここに来るたびに、何か理由が必要みたいだな。でもここも俺の家なんだ。リフォームの時も本当に心を込めたんだ。タイル一枚一枚まで丁寧にチェックしたんだぞ!職人が気づかないような欠陥があるのが怖くてな!」