第309章 電話

「俺が帰らなくて何をするって言うんだ?お前がどれだけ不貞を働くか見ていろというのか?お前を見ているだけで吐き気がする!」橋口俊樹は床に投げられた服を拾い上げ、出て行く前に彼女に嫌味を言うのを忘れなかった。「浮気するなら、病気をもらってくるなよ!」

橋口俊樹が去る前の言葉で、石塚千恵はアフターピルを飲んでいないことを思い出した。

こんな重要なことを、彼女は忘れていたのだ!

買いに行かなければ。

……………………

橋口俊樹は今までこれほど魂が抜けたように、これほど誰かを罵りたいと思ったことはなかった。

くそったれ、くそったれ……

本当にくそったれだ……

長年守ってきた妻が、他人のものになってしまった。

彼は猛スピードで車を飛ばし、母親の家に戻った!

「母さん、俺を呼び戻して何かあったの?」橋口俊樹は怒りに顔を青ざめさせながら、入ってくるなり尋ねた。