第340章 錯覚、一度の間違いから再び間違い

石塚千恵は前方の車の後ろを必死に見つめていた。「77777」というゾロ目のナンバープレートが、彼女の心臓を飛び出させるほど驚かせた!

もし前回が錯覚だったとしても、今回はさらなる錯覚、二重の間違いだ!

錯覚が彼女に告げている、前方の車の中の人物は彼に違いないと!

彼女の心臓は乱れ始めた!

追い抜かれた義理の兄は、心中では腹が立ったものの、黙って我慢するしかなかった。「あの車の性能は本当にすごいな。俺の車じゃ追いつけないよ!」

橋口俊樹は事故を起こして以来、運転がとても慎重になっていた。「安全第一だ。でもあの車は……」

「XXの車だ、それも高級車だ。あんな車に突っ込めないよ。車の持ち主がどれだけ偉いかは置いておいても、もしあの車にぶつけたら、俺のX5を全部売っても弁償できないだろうな!」義理の兄は降参した!