第360章 笹木の心変わり

鈴木越哉と石塚千恵は君一を家に送り届けました。家に入るとすぐに、子供は相良おばさんに心臓のように抱きしめられました!

「坊や、やっと帰ってきたわね。本当に相良おばあさんはびっくりしたのよ!」相良おばさんはほっとした瞬間、涙がこぼれ落ちました。

彼女は責任を恐れているだけではなく、重要なのは君一が生まれてからずっと彼女が育ててきたことで、彼は自分の孫と同じだったのです!

先ほどまで可哀想な子猫のように泣いていた君一は、今では何事もなかったかのように装い、平気な顔で言いました。「相良おばあさん、あなたは本当に年を取ったね。すぐに泣くなんて、大したことじゃないよ?もう泣かないで、あなたの作る砂糖パンが食べたいな!」

「はいはいはい、すぐに作るわ!」相良おばあさんは急いで涙を拭き、客人を見ました。「石塚先生、鈴木坊ちゃん、少しお座りになって、すぐにお昼ご飯を作りますから、あなたたちも残ってください!」

'後ろめたさ'を感じた石塚千恵は急いで手を振りました。「いえ、結構です。私は...あとで用事がありますので、先に失礼します!」

「お昼にどんな用事があるのですか、ぜひ残ってください。坊ちゃんがすぐに帰ってくると言っていましたよ!」相良おばあさんは急いで引き止めました!

君一ちゃんは口をとがらせ、石塚千恵に向かって「ふん」と一声鳴らし、それから不機嫌そうにソファに座りました。腕を組んで座り、無表情で指導者のような風格を漂わせていました。

鈴木越哉はこの小さな子に笑いを誘われ、自分の家のようにくつろいで、冷蔵庫から切ったフルーツといくつかのナッツを取り出し、テーブルの上に置きました。他の人を招くこともなく、自分で堂々と、そして自己中心的に独り占めし始めました。

石塚千恵がずっと見知らぬふりをして、どうしても帰りたがる行動を、ドラマを見るかのように見て、意味深な笑い声を発しました。「ふふ...面白いね、私のいとこと知り合いじゃないわけでもないのに、なんでそんなに急いで帰るの?」

この言葉は、石塚千恵の耳には刺激的で、焦りを感じさせるものでした。彼女は彼をじっと睨み、でたらめを言わないようにしました。