第374章 パパとママがいる

「はい……」君一は素直に答え、千恵の隣に横になった。

クラスでは皆がお母さんと一緒に寝る話をしているのに、彼はその経験がなかった。今日はそのチャンスだ!

でも少し恥ずかしいな、千恵を怒らせてしまわないだろうか!

君一の小さな心配を石塚千恵は見逃さなかった。この柔らかい体を抱きしめる感覚、小さな頭が自分の上に乗っている感覚は、彼女に自分の息子を思い出させた!

彼女の赤ちゃんもこうして自分を抱きしめて寝るのが好きだったのだろうか?

瞬間、千恵の涙が流れ落ちた。

「赤ちゃん、ママのこと好き?」千恵は頭の中の言葉を、思わず口にした!

「好き!」君一もママとの幻想の中で、心から喜んで答えた!

お風呂から出てきた笹木蒼馬が見たのは、「母子が抱き合う」光景だった。感動的で、温かい場面だった!