第401章 密会の事

「コンコンコン……笹木兄さん……中にいますか？」

暗闇の中で話していた二人は、一時的に声を潜めた。

「早く離して！」石塚千恵は反射的に彼を押した。

「嫌だ！」笹木蒼馬の怒りが再び燃え上がり、彼女に従うことはできなかった。

「見られちゃうわ、お願いだから！」石塚千恵は焦って立ち上がろうとした！

もし見られたら、恥ずかしいだけでなく、レストラン中の騒ぎになるだろう。ここで食事ができる人たちは、ほとんどが地元の上流階級の人物だ。

そうなれば彼らのイメージに影響するだろう？

しかし彼女の考えは彼に理解されず、笹木蒼馬は彼女が橋口俊樹に二人の関係を知られたくないだけだと思った！

「橋口俊樹に知られるのがそんなに怖いのか？もしそうなら、今すぐ解放してやる……」笹木蒼馬は冷たく言った！