「え?」橋口俊樹は疑問に思って尋ねた。「お兄さんが麻珠市に来るの?」
谷口さんは頷いた。「兄は専門学校を卒業したけど、地元では適当な仕事が見つからなくて、それで両親も兄に麻珠市に来てほしいと思っていて、兄自身も来たいって言ってるんです!でも今は仕事を見つけるのが難しいし、最初の給料も高くないから、麻珠市で生活するのは大変で……」
「お兄さんはどんな専門を勉強したの?」
「コンピューター専門です!」
「具体的には何?プログラミングソフトウェア設計?それともネットワーク?」
谷口さんは少し恥ずかしそうに言った。「ハードウェアだと思います、ソフトウェアもできますけど!」
「ああ、一般的なパソコン修理か」橋口俊樹は予想通りという表情で、少し見下したような態度だった。
「そうですね!」谷口さんは小さな声で答えた、自分の兄には特に才能がないことは確かだった!
「そういう専門なら、パソコン修理店が一番合ってるね。会社に入るなら使い道はあまりないだろうね。それに、私はパソコン関連のビジネスはやってないし!」
谷口さんはすぐに付け加えた。「監視カメラの設置もできますよ、兄はそういうのも全部できるんです!」
「ああ!」橋口俊樹は返事だけして、それ以上は何も言わなかった!
谷口さんはすぐに続けた。「俊樹さん、あなたの会社はあんなに大きいから、各階に監視カメラがあるでしょう?オフィスにもありますよね?監視カメラって壊れやすいし、システムもよく問題が起きるから、兄がいれば、メンテナンスが便利になりませんか?」
橋口俊樹は眉をしかめた。「でも、うちの会社の監視カメラとパソコンのメンテナンスは、すでに請け負っている人がいるんだ。何年もその人にやってもらっていて、私たちも彼を信頼している!」
「その人はあなたの親戚ですか?」谷口さんはさらに尋ねた!
「いや、そうじゃない。でも長年協力関係にあって、いつも順調だよ!」
「俊樹さん、兄にやらせてくださいよ、その人もあなたの親戚じゃないんでしょう。兄は少なくとも他人ではないでしょう?特にあなたの会社には多くの企業秘密があるのに、どうして他人にそれをやらせて安心できるの?もし誰かがデータを盗んだら、あなたは大損するわよ!」谷口さんは橋口俊樹の様子を観察しながら、小声で枕元の風を吹いた!