第559章 二人の裏切り者2

「君一ちゃん、今日はなんだか機嫌が悪そうね?」お姫様ヘアの女の子、桐子が君一の足取りを追いかけ、幼い声で心配そうに尋ねた。

君一ちゃんはクールに振る舞うのが好きで、女の子の前ではめったに笑わないけれど、毎日女の子たちの傍を通り過ぎる時はいつも生き生きとしていた。今日のように唇を尖らせ、誰も見ようとしない様子は初めてだった!

君一ちゃんは誰とも話したくなくて、そのまま前に進み続けた。

「君一ちゃん、話してよ!」桐子は君一の小さな手を掴み、腕を揺さぶりながら問いかけた。

彼は彼女を一瞥し、激しく怒鳴った。「うるさいな、もういい加減にしてよ。嫌じゃないの?なんでずっと僕につきまとうの?僕はお前なんか好きじゃないんだ!」

桐子は怒鳴られて、「わあっ」と大声で泣き出した。大粒の涙が糸の切れた真珠のように頬を伝い落ち、地響きが聞こえるほど、心が張り裂けそうなほど泣いた。