第581章 賠償

「……」笹木蒼馬は特に低い声で言った。「安心しろ、必ずきちんとお礼をするからな!」

「本当に必要ないよ、俺たちは他人じゃないだろ、同じ戦場を潜り抜けた戦友だ、実の兄弟よりも親密な間柄だぞ!」葉田辰輝は非常に丁寧に言った。

「いや、お前は黙々とこんなにたくさんの良いことをして、それに十数年も写真を撮り続けて、俺は今日になってようやく見ることができた。お前の秘密保持の仕事はこんなに細部まで行き届いている、本当にお前から学ばなければならないな!」笹木蒼馬は皮肉を込めて言った。

「ハハハ……俺が子供の頃からスパイになりたかったのは知ってるだろ、でも親父は俺に忍耐力が足りないから、この仕事には向いていないって言ったんだ!」葉田辰輝はかなり謙虚に言った。「当時は聞いて納得できなかったよ、どうして俺に忍耐力が足りないんだって。でもね、さっきのことで気づいたよ、俺は本当に忍耐力が足りないんだ!ああ、これらの写真はたった十数年しか保存できなかった、一生保存することはできなかったよ!」

「うーん……でも一生保存する方法があるぞ、死ぬ直前に写真を公開するという方法だ!」笹木蒼馬は冷たく言った。

くそ、この言葉の意味は今すぐ死ねということじゃないか?葉田辰輝は賢い人間だ、どうして笹木蒼馬の言葉に含まれる殺意を聞き取れないことがあるだろうか?

彼もかなり真剣に言った。「それは必要ないよ、だって俺は本当に秘密保持の仕事には向いていないと思うからね!」

怒りの中で笹木蒼馬は彼とごまかし合いを続ける余裕がなかった。「葉田辰輝、今日のことについてお前は一体どう考えているんだ?言っておくが、この件はお前と俺の間でまだ終わっていない!」

「いや……俺との間で終わらせないでくれ、終わらせないなら、お前のその神秘的な彼女との間で終わらせないでくれよ!さっき気づいたんだけど、あの時お前が背負っていた小さな女の子が、今のお前の恋人だったなんて!」葉田辰輝は興奮して言った。「わあ、お前たちの縁は最初から決まっていたんだね!」

この話題は笹木蒼馬もかなり聞きたがっていた。「……」

「本当に、お前はあの時から彼女のことが好きだったから、命がけで彼女を救ったのか?」葉田辰輝も当時その場にいた、彼らは任務を遂行していたのだ。