「ふふ……」笹木蒼馬は愉快そうに笑った。「元本も利息も全部返ってきたな!」
「今、利息を取るのが気持ちいいだろ?」
「最高だ!」笹木蒼馬はまた笑った!
「残念だよ、残念。もっと早く知っていれば、この美女は俺のものだったのに!」葉田辰輝は後悔の念を隠さなかった。
「無駄話はやめろ、明日出てこいよ、ボクシングだ!」笹木蒼馬が言った。
「え?ボクシング?」葉田辰輝はあごが落ちそうになった。「明日は仕事が忙しくて……」
「明日は週末だろ、どうして忙しいんだ?」
「それが……自分の商売だから、週末はもちろん忙しいんだよ!」葉田辰輝はもごもごと言った。
笹木蒼馬はわざと尋ねた。「お前、俺の拳が怖いんじゃないのか?俺に勝てないって怖いんだろ?」
「俺がお前を怖がる?なんで怖がるんだよ?俺が兵隊だった頃は体力はいつも優秀だったぞ!」葉田辰輝は見栄を張って言った。「言ってみろよ、明日何時にボクシングするんだ?」