021私は精神病ではない

話したのは鈴木さんだった。

彼女はずっと秋山言葉の後ろについていて、この時眉をひそめ、秋山直子を見ながら、数歩進み出て、鋭い声で言った。個室の視線がこちらに向けられた。

宮本恵は秋山直子が彼女のために椅子を持ってこようとしていることを知っていた。

しかし鈴木さんの目つきはおかしく、まるで刃物で切りつけるように人に落ちかかり、手足が落ち着かなくなるほどで、宮本恵はずっと唇を噛みしめ、無視しようと努めていた。

周りから息を吸う音が聞こえた。

それは他の親戚たちで、みな羨望と驚きの声だった。

誰もこれが不合理だとは思っていなかった。

まるで皆が当然のことだと思っているようだった。

「まあ、58万円よ?千葉でマンションの頭金になるわよ!」

「私たちの町なら、二軒も家が買えるんじゃない?」