高橋洋は何人かの学生に尋ねてようやく、最初は秋山直子が兄と一緒に来たが、その後売店に行ったことを知った。
彼は高橋洋がしばらく話が終わりそうにないのを見て、外に出て秋山直子を探しに行った。
「君のお兄さん……」橘声也は最初、学校で噂されている秋山直子の兄は森田錦也だと思っていたが、教室の入り口を見ても違った。
以前、秋山言葉から彼女たちにまだ兄がいるとは聞いていなかった。
「あなたの水よ」秋山直子は二階をちらりと見て、人混みの中の宮本晴をすぐに見つけた。彼女は無関心に視線を戻し、眉を上げて、感情の読み取れない口調で言った。
橘声也は頭をかきながら、朝来たとき宮本晴が秋山言葉と一緒に来たことを思い出し、二人が同じ母親を持つことを思い出して、黙って頭を下げた。
彼女の後ろをぴったりとついて歩いた。