170 普通の友達、普通のプレゼント(二更)

結城先生は田中静が具体的に誰を招待したのか知らず、まだ来ていない人がいると聞いて、一瞬戸惑った。「小古賀って誰?」

「直子の友達よ」田中静は目を細め、入り口の方を見ながら、静かにゆっくりと言った。「どうしてまだ来ないのかしら、直子、ちょっと聞いてみて」

秋山直子は箸を持ちながら、神崎深一を見て、それから陸奥照影の方向を見て、声を低くして言った。「おばあちゃん、彼も呼んだの?」

この「彼」とは当然、古賀千暁のことだ。

神崎深一たちがいるので、彼女は名前を言わなかった。

「そうよ、古賀くんは千葉で一人だから」田中静は笑いながら、手で口を覆い、軽く咳をして、続けた。

秋山直子は手で額を押さえた。

「ちょっと電話してくる」彼女は携帯を取り、声を低くして言った。

神崎深一は動かず、片手をテーブルに置き、横を向いて彼女を見た。「行っておいで」