「陸奥照影、あなたたち二人はどういう状況なの?」
江戸川和葉は神崎お父さんを訪ねついでにこの二人に慰めを求めに来たのだが、まさか神崎深一が彼を無視するとは思わなかった。まあ、深一が普段から自分をほとんど相手にしないのは仕方ないとしても。
でも神崎木はどうしたんだ?昨日の午前中まで彼らは同じ戦線にいたのに。
今日は変わってしまった。
神崎木もようやく我に返り、江戸川和葉が頭を掻きながら悩んでいる様子を見て、少し同情の念を抱いた。
「実は……」神崎木は咳払いをした。彼は江戸川和葉に忠告しようとしていた。
古賀千暁のことで他の人に頼っても意味がないかもしれない。金子隊長に頼むにしても、古賀千暁の情報を聞き出すにしても、急いで秋山直子の力を借りることが最も重要だと。
「実は何でもないよ、私はただ秋山直哉が見覚えがあるように思えただけ」陸奥照影は江戸川和葉の言葉を遮り、イヤリングに触れながら自分の椅子に座り直し、さらに真剣な表情で江戸川和葉に尋ねた。「君はそう思わないか?」