185古賀千暁!(二更)

パソコンの前の秋山直子は眉を上げ、相変わらずゆっくりと髪を拭きながら、一言も発しなかった。

古賀千暁は上着を羽織り、パソコンの前に身を乗り出して、「30分待っていて」と言った。

ここから車で秋山直子のホテルまで、深夜は渋滞もなく、30分で着くだろう。

「わかった」秋山直子はうなずいた。

古賀千暁は手を伸ばしてビデオ通話を切り、パソコンの電源を落とした。

上着を着ながら、階下へ向かった。

リビングのテーブルから車のキーを取った。

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ホテルでは、秋山直子は髪を拭き終えるとタオルをテーブルの上に適当に放り投げた。

ドライヤーで乾かすこともせず、立ち上がって手を伸ばし、電気を消してから自分に水を一杯注いだ。

古賀千暁が切断したパソコンの画面を閉じ、再びメイン画面に戻ると、彼女のパソコン画面は相変わらず重苦しい砂漠色で、白い矢印が一つあるだけだった。