186江戸川和葉の世界観が崩壊した（三更）

神崎木は秋山直子が彼に教えた住所がこんな場所にあるとは思わなかった。

しばらく呆然としてから、やっとエンジンを切り、鍵を抜いた。

邸宅の入り口は黒い鉄の門だった。

神崎木たちは全員車から降り、この黒い大門の前に立ち止まった。

「秋山さん、ここはあなたの友達の家？」神崎木は困惑した表情でこの黒い門を見つめた。門にはインターホンもなく、開ける手がかりも見当たらなかった。

隙間もなく、まるで一枚の黒い精錬された鋼鉄が皆の前に横たわっているようだった。

秋山直子は神崎深一の後ろからゆっくりと車から降り、「うん」と答えた。

「これはどうやって開けるの？」神崎木は再び秋山直子の方を向いた。「秋山さん、友達に電話した方がいいんじゃない？」

今の神崎木は、秋山直子の友人に対して畏敬の念を抱いていた。特に以前、古賀千暁が秋山直子の友人だと知ってからは。