メッセージを送り終えると、秋山直子は携帯をわきに放り投げた。
手にパンを持ち、古賀千暁の方を見る。
一言も言い出す前に、彼女の向かいに座っていた神崎深一がゆっくりと口を開いた。「結果はいつ出るんだ?」
医学組織のプレスリリースはすでに発表されていた。
医学界では大きな波紋を呼んでいたが、ネット上での反響は一流芸能人のスキャンダルほどではなかった。
「今日の夕方には、最初の再生組織触媒カビも出てくる」この話題になると、古賀千暁の元々無関心だった顔に活気が戻った。
彼は秋山直子の隣に座り、神崎深一が無表情で彼を見ているのに気づいた。
古賀千暁はちょっと躊躇してから、さらに横にずれた。
江戸川和葉はちょうど古賀千暁の隣に座っていた。彼もやや眠そうだったが、古賀千暁がこちらに寄ってきたのを見て、何気なく横にずれた。