二人とも黒い服を着ていた。
左側の人は顔が痩せており、厳格な表情が微かに見え、目はやや濁っていたが、歩みは落ち着いていた。
右側の人は老いた様子が見て取れ、こめかみの白髪がはっきりと見え、首には灰色のスカーフを巻いていた。眉は薄く、その下には優しい目が穏やかに輝いていた。
それは徳田校長と結城先生だった。
外ではまだ雪が降っており、親戚への連絡は行き届いていたが、実際に田中静を見舞いに来た人はそれほど多くなかった。
月島樹はほとんどの人を知っていた。
この二人、結城先生は秋山直子の弟子入りの宴で見たことがあり、認識できたが、徳田校長は確かに会ったことがなかった。
徳田校長は学校ではめったに姿を見せず、一部の教師でさえ校長に会うのは難しく、まして彼のような普通の高校一年生はなおさらだった。