281神崎温子驚愕:彼女の引き出しには忘憂がいっぱい(1更)

ゲームが終わり、秋山直子は顔を上げると、大画面に映る小さなガラス瓶が目に入った。

彼女は一瞬固まった。

オークショニアの声がマイクを通して会場全体に響き渡る。

「800万円、一度目!よし、11番ブース850万円!」

「6番ブース900万円!」

「……」

「1350万円!」

1分もしないうちに、価格は1000万円を超えた。

高級スポーツカー一台分……

この物はそんなに高価だったのか?

秋山直子は怠惰な姿勢を改め、手を額に当てながら少し考えた:何が起きているの?何倍にも跳ね上がってる?

「2700万円……」

彼女が考えていると、隣の神崎温子が迷った後、赤いボタンを押そうとした。

秋山直子は素早く彼女の手を止めた。

「2700万円、三度目!」

秋山直子が彼女の手を押さえた瞬間、オークションは成立した。

神崎温子が秋山直子に尋ねる間もなく、ブースの外からノックの音がして、木村秘書も反応する間もなく、ドアを開けた。