300後悔先に立たず、枠は渡辺風に!(二更)

バイオリン協会。

秋山言葉はまだパソコンの前に座り、画面上のランキングを見つめていた。しばらくして、携帯が鳴り、深井家からの電話で我に返った。

彼女は苛立ちながらパソコンのランキングページを閉じた。

立ち上がって外に向かう。最近の数日間、バイオリン協会の人々は演奏コンクールのことばかり話していた。

注目を集めていたのは秋山直子たち三人組、特に秋山直子だった。

秋山言葉は彼ら三人のことなど何一つ聞きたくなかった。彼女は一位がアメリカ協会に行けることを知っていた……

エレベーターを降りて、まだ建物を出る前に、正面玄関の前に集まっている人々を見た。騒がしく、とても賑やかそうだった。

秋山言葉はそういったことにあまり関心がなかったが、道端に渡辺風とエンゲルさんたちのグループを見かけた。