301大物が集結、入学式(三更)

神崎お爺さんは箸を置き、携帯電話を手に取りしばらく考え込んだ。

彼は口を開き、何か言おうとしたが、秋山直子を見ると、言葉を飲み込み、首を振った。「大したことじゃない、心配するな。」

神崎お爺さんはそう言うと、いつもと変わらぬ様子で再び箸を取り、食事を続けた。

普段なら食事の後、神崎お爺さんは何かと理由をつけて残っていくのだが、今日は急いで帰ろうとしていた。

神崎温子は本来、神崎深一と相談したいことがあったのだが、お爺さんの様子を見て眉をひそめ、書類カバンを持って追いかけた。

「お父さん、何かあったの?」神崎温子はエレベーターに向かい、地下1階のボタンを押しながら、横を向いて神崎お爺さんに尋ねた。

神崎お爺さんは顔を上げ、エレベーターの上部にある赤い階数表示を見つめながら言った。「今日、129の方で動きがあってな……ここ一年、東京はますます平穏じゃなくなってきている。」