道中の花に悩まされ

　秋山直子。田舎育ちで、1年間の行方不明者になり、休学を経て千葉県の名門高校に編入したばかりの、どこか影のある少女。
実母に引き取られた先の新しい家族は、名家の継父、天才と名高い義兄、成績優秀な義妹と、きらびやかな面々。「あの子達の顔に泥を塗らないで」――実母の言葉が、直子の肩に重くのしかかる。

そんな彼女の婚約者は、神崎深一。気だるげな雰囲気とは裏腹に、東京の経済界にも影響力を持つ大富豪の御曹司だ。
彼は周囲にこう紹介する。「俺の直子は、田舎者で世間知らずなんだ。経済のことも疎いし、ちょっと気難しいけど……まぁ、みんなよろしく頼むよ」
だが、それは彼なりの優しさなのか、それとも――？

ある日、深一が追っていた某大物の調査の過程で、彼の有能な部下が偶然衝撃的な事実を発見してしまう。それは、深一が「何も知らない」と言っていたはずの直子の、信じられないような「隠された一面」だった。
（……え、奥様、一体何者なんですか！？）部下は驚愕のあまり、思考が停止する。

これは、お互いの「とんでもない素性」を隠し合うカップルの物語。彼らが秘密を打ち明ける時、何が変わるのでしょう？



二人の隠しこと

神崎深一は桑原陽太のウェイボーのコメント欄にリンクを投稿した。


そのコメントはすぐに返信やいいねをもらい、急速に人気を集めてトップコメントになった。


最初、桑原陽太がこの投稿をした時、結城先生がこの件で注目を集めようとしているのではないかと皮肉る人もいたが、数分もしないうちに、あるコメントのリンクが現れた。そこでの会話から、一人は結城先生、もう一人は桑原陽太だとわかった。


すぐに、ウェイボーのコメント欄では、東京の協会の関係者が暴露した——


【桑原先生が東京の協会の会議室で言った言葉：上級生徒が盗作に関わっているなら、東京の協会から追放しなければ、その結果はみなさんもご存知でしょう。】


この言葉は多くのネットユーザーの怒りに火をつけた！


そして桑原陽太の二枚舌的なウェイボー投稿を見て、傍観者たちは彼に代わって恥ずかしく感じた！


309 驚天動地の逆転、完全に居場所がなくなった!（二更）