秋山直子の手にあるのは、白いパソコンだった。
薄くて軽く、とても美しい。
パソコンのカバーには、かすかにケシの花の形が印刷されていた。
ただ、雲光財団は一部の企業にしか開放しておらず、市場にはまだ完全に出回っていないため、このマークを知っている人は少なかった。
杉森汐と南雲慧はIT業界に詳しくなく、雲光財団の新しいITロゴも知らなかったため、ただ綺麗だと褒めるだけだった。
確かに美しい。
普段あまり乙女心のない杉森汐でさえ、心を動かされていた。
この二人は知らなかったが、雲光財団に非常に関心を持っている氷川珊瑚はこのロゴを認識しており、いつもの冷静な表情にようやく変化が現れた。
雲光財団がいつからパソコンを販売し始めたの?!
偽物じゃない?!
秋山直子は特に驚いた様子もなくカバーを開くと、パソコンは自動的に起動し、いつものように青い画面が表示され、そして機械音が響いた——