419アメリカ歴史館の絵……(三更)

神崎お爺さんはまだ視線を戻していなかった。彼は「あ」と声を上げた。

神崎深一が近づき、この絵を見て、淡々と口を開いた。「本物だ。お父さん、気に入ったなら個人コレクションに加えてください」そう言うと、彼は落ち着いて手を上げて携帯の時間を確認した。「時間がないので、先に帰ります」

神崎お爺さんはまだ反応できていないようで、「ああ」と答えた。

神崎深一は彼を一瞥すると、秋山直子を連れて先に立ち去った。

神崎木も礼儀正しく神崎お爺さんと神崎温子に挨拶したが、二人とも彼に応じなかった。

神崎深一たちは去っていった。

約2分後、神崎お爺さんが最初に我に返った。

そして躊躇いがちに神崎温子を見て、「お前の弟は本物だと言ったが、この絵は確か...当時のオークションの記録では、アメリカの歴史博物館に収蔵されたんじゃなかったか?」