501 棄子(三更)

秋山直子は並の人間ではない、このことは目の利く人なら誰でも分かる。

あの表情は普通の人のものではない。

当時、徳田おじさんは衝撃を受けていたが、秋山直子の表情にも注目していた。彼は見間違えるはずがない。

この点について徳田月光も当然気づいていた。神崎木も当時は驚きよりも冷静さの方が勝っていた。

徳田月光は振り返り、徳田おじさんをじっと見つめた。「おじいさんには必ず理由があるはずです。彼が選んだ人を、どうか疑わないでください。」

そう言うと、彼は直接書斎の机に向かい、パソコンを開いて今日起きたことを徳田さんに報告した。

徳田おじさんは彼の後ろに立ち、彼を一瞥して口を開きかけた。

しかし何も言えなかった。

ただドアを閉めて出ていくしかなかった。

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夜になった。

秋山直子は神崎深一とビデオ通話をしていた。