第72章 罪が重い

霧島咲姫が目を覚ましたときには、すでに午前5時で、鼻先には刺激的な消毒液の匂いが漂っていた。

手首がひどく痛んでいた。

神城慈乃は窓を開け、外に寄りかかってタバコを吸っていた。部屋に匂いを持ち込まないようにしていた。

「目が覚めた?」

彼女は少し体を横に向けた。下半身は白いカジュアルなパンツを履いており、彼女の長く引き締まった脚がパンツに包まれ、背が高くて魅力的に見えた。

上半身はとてもシンプルな青いTシャツで、ベルトを締めており、全体的に引き締まっていて快適そうだった。

そんな神城慈乃を見て、霧島咲姫の顔に微笑みが浮かんだが、今は両手に問題があり、手話もできなかった。

「あなたこの馬鹿な子、こんなことで自殺しようとするなんて?煌に申し訳が立つの?」神城慈乃は彼女が話せないこと、今はジェスチャーもできないことを知っていた。タバコを消して彼女の隣に座り、体からはかすかなタバコの匂いがした。

霧島咲姫は黙って首を振った。

彼女はその時、そこまで考えていなかった。信じられないことに、神城連真が彼女に与えた影響は煌を超えていた。今になって思い出した、もし自分がいなくなったら、煌はどうなるのだろうか。

彼女が死んだら、それはまさに東條未煙の望み通りになる。そうなれば煌は彼女の手に渡り、良い日々を過ごせるはずがない。

「朝霧翔真があなたを見に来たけど、今朝緊急の会議があるから、先に帰らせたわ」神城慈乃は眉をしかめ、病床にいる恐ろしいほど痩せた女性を見つめた。彼女の顔は疲れ果てていた。

彼女は不思議に思った、自分はこういう人が一番嫌いなはずなのに、どうして霧島咲姫と友達になったのだろうか。

ありがとう。

霧島咲姫は微笑んだ。今でも自分の体が温かいと感じることができる、生きているという感覚は本当に素晴らしい。彼女は一人ではない、どうしてこんなに自分勝手になれるのだろう、煌は彼女を待っている。

どうして煌を置き去りにできるだろうか。

退院してからすでに一週間が経っていた。この間、神城連真は彼女に一度も連絡してこなかった。霧島咲姫もほぼ回復していた。