第120章 出勤する

霧島咲姫は朝霧翔真が再び訪ねてくるとは思っていなかった。彼は手に花に水をやるジョウロを持ち、眉をひそめ、目の前の男性を見つめながら、白い歯を見せた。

——どうして来たの?

彼の額に汗が浮かんでいるのが見えた。明らかに急いで歩いてきたようだ。

神城家の大爺様のここは車を庭に入れることが許されておらず、歩いてくるしかなく、しかも中に入ってからでも大人の男性でも十数分歩かなければならない陸町だった。

しかし霧島咲姫はこれがとても良いと思っていた。

「ただ、君のことが心配で、様子を見に来たんだ」彼は目を泳がせながら、ゆっくりと言った。

さっき朝霧翔真は脇に立ち、彼の愛する女性が傍らに立っているのを見た。彼女は両手の袖をわずかに捲り上げ、すらりとした腕を露わにしていた。白くても病的ではなかった。