第180章 デザイナー

この後の二週間、霧島咲姫は自分の作品をすべて提出したところ、思いがけずデザイン総監のマークから大きな支持を得ることになった。

「咲姫、君は本当にデザインの才能があるね。その研究部とかいうところからすぐに異動してきたほうがいいよ。君がいれば、我々神城グループはまさに虎に翼を得たようなものだ。」

マークは外国人で、ドイツと中国のハーフだった。ヨーロッパでも有名な人物だ。彼女からこのような大きな称賛を受けるのは、本当に稀なことだった。

霧島咲姫は手の中の紙をきつく握りしめ、恥ずかしそうに笑った。「マーク、そんなに言わないでください。私はただ暇な時に適当にデザインしただけで、実際は...自分の感想を表現しただけなんです。」

確かにそうだった。

彼女は大学時代からこういったことに興味を持っていたが、体系的に学んだことはなかった。

しかし、彼にこのように褒められるのは、本当に素晴らしいことだった。

マークは大げさな表情で、彼女を力強く抱きしめた。「咲姫、何を言っているんだ。君のこの才能は他の人が欲しくても手に入らないものだよ。私のデザイン部を見てごらん。みんな名門大学でヨーロッパ留学経験のある大学院生で、幼い頃から学んできた人たちだ。でも、君のような巧みなデザインの図面を見たことがない。」

マークのアシスタントとして、横に立っていた小柄な女の子もうなずいた。

「咲姫姉、これは本当です。私はまだ大学院を卒業していませんが、幼い頃から絵を描く家系で育ちました。でも、あなたのようなデザイン案は、本当に私たちを驚かせました。最初は総監がお世辞を言っているのかと思いましたが、あなたの何枚かを見た後は、私たちは皆黙ってしまいました。彼が不機嫌になって私たちを解雇するのではないかと恐れたほどです。」

アシスタントは見た目が非常に洗練されていたが、まさか自分の上司の前でこのような発言をするとは思わなかった。

霧島咲姫は思わず笑ってしまい、三人はそこでくすくす笑い合った。

「あ、それから咲姫、先日君の名前で、以前君が私に渡してくれた『春』のデザインを国内のデザインコンテストに提出したんだ。我が社には二つの枠があって、そのうちの一つが君だよ。」

霧島咲姫は驚きの表情を浮かべた。全部で二つしかない枠の一つが、彼女に与えられたのだ。