立花心蕾が家に帰り、ベッドに近づいた。
霧島咲姫の顔が真っ赤になっているのが見えた。病気になったようだ。
急いで前に進み、手で霧島咲姫の額に触れると、大変なことになっていた。この温度は明らかに異常だった。長年の経験から判断して、親友は間違いなく熱を出していた。
「あらまあ!どうしてこんなに熱いの?元気だったのにどうして病気になったの?雨に濡れたわけでもないのに?」
立花心蕾は口では言いながらも、動作は止まらず、急いで風邪薬を探し始めた。
風邪薬を見つけると、薬箱から取り出し、コップに水を注ぎ、ベッドの側に行って手で霧島咲姫を揺さぶった。
「起きて、早く起きて!もう寝ないで。」
霧島咲姫はぼんやりと目を細く開け、立花心蕾が彼女を揺さぶっているのを見て、少し不満そうな口調で言った。「何を揺さぶってるの?少し眠らせてくれないの?」
「寝てる場合じゃないでしょ!風邪引いてるんだから、早く起きて薬を飲みなさい。」立花心蕾は苦笑いしながら親友を支え、彼女の口に薬を流し込んだ。
「あ!苦い、この風邪薬何?すごく苦いわ、私が風邪引いてるなんて知らなかったわ?」霧島咲姫は無理やり風邪薬を飲まされ、疑わしげに自分の額を触った。
「あら、本当に少し熱いわね、ありがとう、心蕾、あなたって最高!」霧島咲姫はぼんやりと言いながら、ベッドに倒れ込んだ。まだ目が覚めていないようで、また眠りたそうだった。
「本当にあなたには参ったわ、私があなたに借りがあるとでも思ってるの?見てよ、あなたのその様子、私がいなかったらどうするつもりだったの?」立花心蕾は文句を言いながら。
霧島咲姫のために氷を準備し始めた。彼女は冷やそうと思っていた。そうすれば風邪が早く治るだろう。
冷蔵庫からすべての氷を取り出し、冷やすための専用の道具に入れ、ベッドに戻って、氷嚢を霧島咲姫の額に置いた。
「あら!冷たい!」霧島咲姫は氷嚢の冷たさで目を覚まし、ぼんやりと言った。
「寝てなさいよ!」立花心蕾は抵抗しようとする霧島咲姫を押さえつけた。
霧島咲姫はまたぼんやりと眠りに落ちた。午後に消耗しすぎたうえに、病気が急に襲ってきて、まさに雪上に霜を降らせ、火に油を注ぐようなものだった。
そのとき霧島咲姫の電話が鳴った。病気のせいで、霧島咲姫は電話の着信音が鳴り続けているのを全く聞こえていなかった。