第204章 転院

時間は一分一秒と過ぎ去り、あっという間に、霧島咲姫は病院に一週間も横たわっていた。しかし、病状はまったく良くなっておらず、霧島咲姫自身も病院で過ごしたこの一週間、体調が日に日に悪くなっていると感じていた。

他のことは言わないが、食事の量も徐々に減り、髪の毛も少しずつ抜け落ちていた。

霧島咲姫はどこか奇妙に感じていたが、ある理由から、自分の心の中の考えを口にすることはなかった。彼女は窓辺に立っていた。

朝霧翔真はこの時間になると咲姫が喉が渇くことを知っていたので、そばの水差しを手に取り、外に出て水を一本入れてきた。病室に入る前に、部屋の中から激しい咳の音が聞こえてきた。

その声は霧島咲姫のものだった。彼は急いで部屋に駆け込んだが、霧島咲姫は朝霧翔真のこの行動に不意を突かれたようで、反射的に自分を落ち着かせ、何事もなかったかのように静かにベッドに横たわり、窓の外を見つめていた。