第225章 退院

普通の熱だったため、霧島咲姫はすぐに楽になり、退院したいとずっと騒いでいた。

朝霧翔真は困った顔で、横に座って何も言わなかった。

彼は咲姫がなぜそんなに急いでいるのかよく分かっていた。要するに煌に会いたいからだ。

しかし彼は煌がすでに死んでいることを知っていた。五年前に亡くなったのだ。どうしてそんなことがあり得るだろうか?死者が蘇ることはあり得ない。彼は咲姫が高熱で幻覚を見ているのではないかと疑っていた。

「私は本当に煌を見たのよ、翔真。信じてくれないかもしれないけど、本当に見たの、本当よ!」

霧島咲姫は何度もこのことを強調した。自分の目が見間違えるはずがないと思っていた。

彼女は確かに孤児院に行き、煌を見たのだ。煌の顔は今でもはっきりと覚えている。その姿は自分と神城連真にそっくりだった。