第241章 再会

立花心蕾は思わず疑問を抱いた。興栄グループという文字がどこかで見覚えがあるような気がした。

彼女は無意識にフォークを置き、そのビデオをもう一度注意深く見た。そうすることで彼女の心の中の疑いはさらに強まった。興栄グループは最近名を馳せている企業だった。

考えているうちに、立花心蕾は立ち止まった。彼女は恐れていたが、同時に少し興奮していた。霧島咲姫であってほしいと思う一方で、そうでないことも恐れていた。

「いや、どうあれ見に行かなければ」

もし咲姫なら、もし咲姫がまだ生きているなら、そんな可能性を考えただけで彼女の心は躍った。

そう言うと彼女はすぐに立ち上がり、テーブルの上のサラダも片付けずに出かけた。外に出るとすぐに彼女は興栄グループと繰り返し呟き、さらに先ほどのビデオをお気に入りに保存していた。

以前は彼女はこの会社と接触したことがなかった。よく耳にしていたが、その中の重要人物が霧島咲姫にそっくりだとは思いもしなかった。

そうして彼女はナビを頼りに興栄グループのビルの下に到着した。適切な駐車スペースを見つけると、彼女は車から降りて高層ビルの足元に立った。無意識に見上げると、太陽の光が特に眩しかった。

この会社がわずか数ヶ月でこれほどの成果を上げるとは思いもしなかった。立花心蕾は驚き、この会社の社長に思わず敬意を抱いた。

彼女は大股で興栄グループの会社の玄関に向かったが、すぐに警備員に止められた。警備員は咳払いをして言った。「おい、あなたは?会社の従業員は今全員勤務中だ。この時間は誰も入れないことになっている」

立花心蕾は立ち止まった。この会社がこれほど厳しいとは思わなかったが、咲姫に会うためなら何でもする。結局、一人の警備員では彼女を止められないだろう。これは小さな問題に過ぎない。

彼女は微笑んで警備員の前に歩み寄り、「お兄さん、お願いします!入れてください。あなたの会社のリサに会いたいんです。彼女と相談したいことがあるんです」と言った。

警備員はこの言葉を聞いて、思わず心が震えた。こんなことを言える人は間違いなく並の人ではない。しかし彼は通知を受けていなかったので、どんなことがあってもこの人を入れるわけにはいかなかった。