第232章 煌の策略

霧島咲姫はベッドに横たわり、だらしなくスマホをいじっていた。

なぜか、彼女の頭には昨日神城連真の家で寝ていた場面が突然浮かんできた。

そして思わず朝霧翔真の5年間の付き添いを思い出し、彼女の心は複雑な気持ちでいっぱいになった。

どう考えても、昨日の行動は翔真に申し訳ないことをしてしまった。5年間毎日、彼は自分を丁寧に世話してくれて、少しも怠ることなく、それなのに昨日自分はこんなことをしてしまった。

何も起こらなかったとはいえ、口に出せば多かれ少なかれ人を不快にさせるものだ。ましてや翔真の自分に対する気持ちは、彼女自身がよく分かっている。誰だって気分が悪くなるだろう。

神城連真さえいなければ、事態はここまで発展しなかっただろう。元凶があの男だと思うと、彼女の心はますます怒りで満ちて、八つ裂きにしてやりたいほどだった。