突然、霧島咲姫は立ち上がり、テーブルを叩きながら、目に涙を浮かべた。
「だめよ、私は煌に会わなきゃ。彼はまだ生きていたのね。どんなことがあっても、会いに行かなければ」
そう言うと、彼女の涙は自然と流れ落ちた。傍らの朝霧翔真は呆然としていた。煌は死んでいない?彼は無意識に振り返って立花心蕾を見た。
今、彼の心の中ではある程度察しがついていた。きっと立花心蕾が過去5年間の彼が知っていることをすべて霧島咲姫に話したのだろう。
立花心蕾は一瞬言葉に詰まり、急いで言った。
「咲姫、このことはよく考えた方がいいわ。もし煌に会いに行けば、神城連真にも会うことになるわよ...もし彼があなたを認識したら、どうするの?」
今の霧島咲姫にはそんなことを考える余裕はなかった。彼女は一心に煌に会いたいと思っていた。以前抱きしめたことはあっても、彼が自分の息子だとは信じられなかったのだ。