タクシーに乗ったばかりの霧島咲姫は、全身がどこか調子悪いと感じた。
頭がなんとなく不快で、全身が疲れ切っているような感じがした。よく考えてみると、最近は特に重労働をしたわけでもなかった。
ここ数日はとても気楽に過ごしていたのに、なぜ今日突然こんなに疲れを感じるのだろう?
彼女はあまり深く考えず、おそらく単なる体調不良だろうと思い、気にしないことにした。
前の運転手は当然、霧島咲姫の顔色がおかしいことに気づいており、咲姫も運転手が自分をずっと見ていることに気づいていた。
「お嬢さん、顔色があまりよくないようですが、病院に連れて行きましょうか?」運転手は無意識に尋ねた。その口調には深い心配が込められていた。
霧島咲姫は無意識に運転手を見回し、顔に薄い笑みを浮かべて首を振った。「大丈夫です、慣れてますから。家に薬がありますので」