第245章 同意か不同意か

神城連真?!

どうして彼に会うことになるの、どうしてこんなことに。

五年も経って彼の生活リズムも変わったのかしら?!

霧島咲姫は一瞬何を言えばいいのか分からなくなった。これはあまりにも運が悪すぎる、どうして出ていく時に会ってしまうの?あと一分早ければ会わなくて済んだのに、あと200メートルで外に出られたのに。

そうすればこの災難をうまく避けられたのに。

「あなた、何しに来たの?」

神城連真は淡々と言った。目には少し心配の色があったが、同時に冷淡さも混じっていた。霧島咲姫は一瞬でこの男性を理解できなくなった。

彼女は一瞬固まり、目を見開いて、両手をもじもじさせながら、顔には葛藤の色が浮かんでいた。

どう答えればいい?何て言えばいい?

「リサ、無断で他人の家に入るなんて、忘れたのかな、訴えることもできるんだよ」目の前の男性は眉をひそめ、彼女がなぜここにいるのか考えているようだった。

彼はもう一度言い直した。一瞬で、彼女の顔は暗くなった。霧島咲姫は立ち止まったが、すぐに我に返った。

「違うの、ただあなたに会いたかっただけ、それだけよ。家にいないとは思わなくて...だから...こうなっちゃった、何もないわ」

言い終わると霧島咲姫は目をそらした。確かに、彼女は神城連真と正面から向き合う勇気がなかった。今日は彼に会いに来たわけではなかったのだから。

やっと煌と再会できたのに、どんなことがあってもこれを台無しにはできない。誰も煌を傷つけることはできない。

一瞬、神城連真は何かを悟ったかのように、笑いもせず、口角を少し上げ、軽蔑と疑いの色を見せた。

「そう?じゃあ、今帰ってきたんだから、ゆっくり見ていけば?部屋に座って?食事でもする?」

神城連真の質問が次々と押し寄せ、霧島咲姫はどう答えていいか分からなくなった。最初は少し恥ずかしさを感じていたが、彼の無関心な目を見ると、その感情はすぐに消えてしまった。

「いいえ、用事があるから、もう行くわ」

霧島咲姫の心には一瞬で恐怖が広がった。彼女は大股で立ち去り、少しも躊躇わなかった。

神城連真は微笑んで部屋に入った。

道中、霧島咲姫は不安だった。神城連真はとても賢い人だから、今回の彼女の怪しい行動から、きっと何かを察知しているだろう。もう隠し通せないかもしれない。