第327章 協力愉快

霧島咲姫はこの頃、朝霧翔真に対して少しも油断することができず、できれば朝霧翔真を会社に連れて行きたいほどだった。

朝霧翔真が疲れないはずがない。足の不自由な人を演じていると、自分の四肢が本当に退化しそうな気がしていた。

ようやくこの日、霧島咲姫が取引先の視察に行くことになり、彼は口実を見つけて一人で静かな場所に行き、ゆっくりリラックスしようと思った。

朝霧翔真は警戒心が非常に強かった。彼は運転手の車で出かけ、カフェに着いた後、変装して別の車で立ち去った。

ボウリング場は今日はそれほど混んでいなかった。彼は一人で楽しく遊んでいた。

しばらくすると、中年の男性が現れた。「朝霧若様はご機嫌がよろしいようで!」

朝霧翔真は体が固まった。

マスクをしていても、彼は必死に説明した。「すみません、人違いではないですか?」

神城志国は顔に笑みを隠せなかった。「そうですか?あなたは私の友人にそっくりですね!思わず彼の写真をお見せしたくなりました!」

神城志国は直接写真を広げて朝霧翔真の目の前に見せた。

朝霧翔真は大きく驚いた。写真には駐車場で黒服の男と機敏に戦う自分の姿がはっきりと写っていた。

神城志国の勝ち誇った態度に、朝霧翔真は背筋が寒くなった!

朝霧翔真は頭の回転が速かった。もう一組の調査員と駐車場で自分を追跡していた人物は、きっと神城志国が送り込んだ人間だろう。

「何が欲しいんだ?」朝霧翔真は単刀直入に尋ねた。

神城志国は率直な人との会話が好きだった。「朝霧若様のような性格が好きですよ!安心してください、あなたを傷つけたり利用したりする気はありません。これらの写真も他の人に見せるつもりはありません。私は口が堅いですから!」

朝霧翔真は次第に忍耐を失った。「要点を言え!」

神城志国はこの時、突然右手を差し出した。「私はただ単純に朝霧若様と協力したいだけです!結局のところ、私たちには共通の敵がいます!神城!連!真!」

神城志国は最後の名前を言う時、ほとんど歯ぎしりするようだった。

朝霧翔真は神城志国がかなり賢い人間だと思った。こんなに早く自分のことをここまで詳しく調べ上げ、自分が神城連真を倒そうとしていることまで知っているとは。