神城連真はこの時になってようやく、霧島咲姫が朝につまずいたことを思い出した。この愚かな娘は一日中それを処置せず、さっきまで命知らずに走り回っていたのだ。
今、彼は彼女を腰から抱き上げ、それを見た神城煌は胸が高鳴った。
霧島咲姫は必死に抵抗しようとしたが、横抱きにされては力が入らなかった。
そこで彼女はもがくのをやめた。
神城連真は彼女をそっとソファに置いた。
菅田ママはすぐに救急箱を持ってきて、丁寧に薬を塗ってくれた。
傷の処置が終わり、菅田ママが下がると、神城家の大爺様は長い間我慢していた発言を始めた。
「お前たち夫婦がどんな喧嘩をしようと構わないが、私の大切な孫に害を与えることは許せん!神城連真、この小僧め、きっとお前が何かして私の孫嫁を不機嫌にさせたから、煌がこんな騒ぎを起こしたんだろう!」